試食のコミュニケーション
第38号
連休を利用して草津温泉に行ってきました。渋川伊香保インターを降りたあとは、登る一方です。草津はもう紅葉が始まっていました。
川床からお湯が湧き出る「西の河原」(さいのかわら)の野天風呂は500平方メートルの広さで、上流と下流でお湯の温度の違いを楽しめる気持ちの良い温泉でした。
さて温泉といえば、おみやげ物屋さんの試食コーナーはどこでも大人気です。お漬物コーナーも楽しいのですが、草津の名物といえば有名なのがお饅頭の試食です。
西の河原から降りてきて湯畑に行く途中では、もういくつも温泉饅頭の試食ができます。
ふかしたてのお饅頭にお茶までサービスされては、もう買わないわけにはいきません。
この試食をさせて買わせるという行為も、立派なコミュニケーション・スキルなのです。
人類が始まって以来「貸しをつくる」というスキルは、人の心をつかむ手段として大いに利用されてきました。
人は相手に「貸しを作らせる」と、その負い目に対してとても弱くなるものなのです。
なにか無料でいただいてしまうと、とにかく早く何か買うことでその負い目を反そうという気持ちになってしまいます。
貸しを作ることができるのは、お饅頭ばかりではありません。
あなたも、相手の心に無料の貸しをたくさん作ることができます。
サービス・情報・秘密・ほめ言葉・優しい仕草・笑顔…みんな相手の心の中に無料で貸しを作ることができます。
それを受けた人は、思わずお返しをしたくなってしまうのです。
教訓:相手の心に貸しをたくさん作りましょう。きっと良い報いがありますよ。
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