仮定質問の力
第23号
「もしあなたがお客様なら、当社のサービスについてどう思いますか?」
・「えー、そんなこと考えたことないよ。」
・「入社当時なら考えられたかもしれないけど、もう何年も働いていると自分の会社を客観的に見つめることはできないな。」
・仮定の質問には答えられません。(国会答弁みたいですね。)
・「お客さんの視点からみれば当社のサービスは…のレベルだと思います。なぜなら…」
皆様は、どの反応に近いですか?
アンケート講座が開催されてまもなく一年になります。
これまでたくさんの方にご参加いただき、多くのアンケート診断を担当してきましたが、診断したアンケートのなかで一番少なかった質問が、この「仮定質問」です。
いただいたアンケートのほとんどは、「現状の自分からの視点」を要求していました。「あなたは今どのように思っていますか?」というアンケートになっているのです。
立場や属性が変わった時の視点を要求するアンケートが少ないのは、なぜでしょうか?
仮に、あるアンケートで、ある属性や立場のグループがAという結果を示したとします。
つぎに、そのグループの立場や属性が変わった時の「仮定質問」をした結果がBになったとします。
その場合、なぜ立場や属性が変わったらAがBになるのかを尋ねたら、アンケート作成者の「本音を聞く」目的に大きく近付くことになると思うのですが、いかがでしょうか?
アンケートではあまり使われませんが、仮定質問の力はとても有益です。
・「あなたがもし生産部門にいたら、現在と同じ意見になりますか?」
・「あなたがもしあなたの上司だったら、現状をどう変えると思いますか?」
・「あなたがもし社長なら、この会社をどのようにしていきたいですか?」
仮定を聞かれることによって、回答者の発想は大きく広がります。
いままで意識していなかった自分に出会うことができます。
仮定質問は、自分自身にして対して試みても、大きな効果が期待できます。
「もし自分が○○だったら・・・」
教訓:異なる属性や立場からの発想を要求されると、人は創造的になります。
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